今日、興味深い記事を読みました。
ロケットの部品にまで3Dプリンタで作製したものが使われる時代なんだと思いました。
しかしながら考えてみれば、ロケットの部品は量産するわけではないと思うので、3Dプリンタを使用すれば、複雑な形状の部品を改良を加えながら作製できるため確かに便利だと思いました。
記事の中では、金属を使用した「粉末床溶融結合」と「指向性エネルギー堆積」が取り上げられていましたので、簡単に説明したいと思います。
粉末床溶融結合法
下の図を見ると分かりますが、平らに敷き詰めた粉末材料に、レーザビームや電子ビームを照射して焼結させ立体モデルを作成します。
”焼結”というのは、金属やセラミックスの粉末を固体にしたものを(固体粉末)融点よりも低い温度で加熱し、焼き固めて焼結体と呼ばれる緻密な物体にする現象の事です。
粉末材料としては、ナイロン樹脂等の粉末、セラミック粉末、銅・チタン等の金属粉末等が使用されます。
金属粉末が使用できることから強度のある立体モデルを作製することができます。
造形部の粉末の中にレーザーで焼結しながら造形物を作製するので、造形物以外の粉末部分が作製した造形物をサポートしてくれるため、3Dプリンタでよく使用されるサポート材は必要ありません。
この粉末床溶融結合法のメリットとデメリットは以下の通りです。
≪ メリット ≫
* 材料強度が比較的大きく、柔軟性のある造形物が作製できる。
* サポート材が不要。
≪ デメリット ≫
* 表面の仕上がりが粗く、ざらざらした仕上がりになる。
* 装置は大きく、高価。
指向性エネルギー堆積法
指向性エネルギー堆積法も、粉末床溶融結合法と同じく金属材料を使用します。
金属粉末等の材料にレーザー光や電子ビーム等のの指向エネルギービームで溶融をし、積層しながら立体モデルを作製します。
(レーザ肉盛溶接と同じ原理で行われています。)
*レーザー直接積層法
*溶融物堆積法(溶融金属積層法)
の二種類があります。
レーザー直接積層法は造形ステージ上に供給された金属粉末をレーザー光で溶融して、積層します。
この方法のメリットは、造形速度が速い事。
ただ、形状精度はかなり荒いため、後加工により仕上げをする必要があるというデメリットがあります。
そして、溶融物堆積法(溶融金属積層法)は、金属のワイヤを溶融しながら積層し立体モデルを作製します。
この方法も造形速度は速く、またオーバーハング形状の作製も可能です。
オーバーハング形状とは、上部か下部よりせり出した構造の事です。
ただ、やはり形状精度はかなり荒く、後加工による仕上げが必要になるデメリットがあります。
今後3Dプリンタを使用して作製できるものもどんどん増えていき、身近な存在になってくるものと思われます。
是非学校などにも配備して、教材作製等にも使用できるようになると子どもたちの学びもますます広がると思います。
3Dプリンタの普及を楽しみにしています!